【ワイナリーを知る・第1回】サッポロビール「安曇野池田ヴィンヤード」でAIの導入を紹介
ワイナリーを知る2017年09月12日
サッポロビール(株)がビールに続く第2の柱と力を入れる日本ワイン、その中核となる自社畑「安曇野池田ヴィンヤード」の見学会を開き、AI(人工知能)の活用について紹介した。
安曇野池田ヴィンヤードは松本市の北郊、北安曇郡池田町の北アルプスを見下ろす山の中腹(標高600m前後)に開かれた12.6haのブドウ園で、メルロ、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランの6品種を栽培する。 8月の最高気温は長野市や東京都に近く30度を超えるが、平均気温は夜間気温がぐんと下がるため数度低く25度を下回る。これは酸を保ちながら糖度を上げられるという恵まれた環境を示す。痩せた土壌で、施肥により理想的な養分状況をつくれる。水はけがよく、土壌中の水分含有量の多いブドウ園の多い日本では数少ないブドウ樹に水分ストレスのかかる畑で、着色のよいタンニン分がしっかりしたブドウを育める。
この7月、園内に5カ所に、日照量、果房周りなど3地点の温度、湿度、土壌水分といったデータを集めるセンサー「e-kakashi」を設置した。このセンサーの開発には農学系の博士号をもつ社外の研究者が携わり、現地栽培技術者の治験も組み込める仕様になっている。親機に集約されたデータは、主に気象条件に応じた防除作業の効率化(効果的な散布による回数の減少と農薬使用量の減少、摘葉の時期と量の判定、収穫日の決定など)に使う。データを集積し解析するには少なくとも2-3年はかかるが、将来はデータを公開し、新規参入者など他のブドウ生産者が使えるようにする予定という。
この安曇野池田ヴィンヤードのブドウは主にフラッグシップ・ワイン「グランポレール・シングル・ヴィンヤード」に使われる。この秋に発売されるシングル・ヴィンヤードは以下の3アイテム。
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住所:山梨県甲州市勝沼町綿塚字大正577